メールマガジン第50号

全国盲ろう者団体連絡協議会メールマガジン第50号

2021年6月15日発行

全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、「連絡協議会」という)

<目次>

1.会長からのメッセージ

会長 大杉 勝則(おおすぎ かつのり)

 ただいま、東京オリンピック2020聖火リレーで、各地の盲ろうランナーが走っ
ています。
 しかし、公道での走行ができなくなった地域も増えていますね。
 大杉の地元広島では、5月17日(月)に平和記念公園で1日目のランナーが集ま
り、点火セレモニーが行われました。
 前のランナーが大杉の所へ来て、トーチキスをし、一緒に同じポーズを決めたあと
、次のランナーの所へ5メートル位歩いて行き、トーチキス、ポーズを決めました。
 障害があっても、支援者と一緒にスポーツを楽しむことをみんなに広めたいという
気持ちで、聖火を掲げました。
 公道での走行ができなくなったのは残念だったけれど、なんとか無事にトーチを持
ち、聖火を受け、つなげたことはとても嬉しかったです。
 さらに、トーチももらったので、宝物となりました。
 ここまでこれたのは、多くの仲間からたくさんの応援や励ましをいただいたおかげ
です。
 ありがとうございました。
 この感謝を伝えるため、みなさんにもトーチをお見せし、触れてもらいたいと思っ
ています。
 それから、2月発行のメルマガで、6名の聖火ランナーを紹介しましたが、
他に選ばれたお二人もいたので、追加紹介します。
 5月2日(日)沖縄の崎浜 啓(さきはま けい)さん、弱視難聴。
 5月13日(木)山口の杉原直美(すぎはらなおみ)さん、弱視ろう 。

2.協会との懇談会報告

事務局長 庵 悟(いおり さとる)

 去る5月26日、全国盲ろう者協会(以下、協会)の山下事務局長・橋間事務局次長
と全国盲ろう者団体連絡協議会(以下、連絡協議会)三役(大杉・藤鹿・門川・庵)との
懇談会をオンラインで開催しました。
 今回は、来年の鳥取大会を含めた今後の全国大会の在り方と各種要望活動について
、活発な情報・意見交換を行いました。
以下、その概要を報告します。
1.全国盲ろう者大会について
 昨年、協会が実施した全国大会のあり方についてのアンケート結果や連絡協議会が
МLなどで意見をまとめたものを踏まえて、今後の全国大会の在り方について、率直
な意見を出し合い、課題を共有しました。そして、6月中に改めて懇談会を設け、課
題を整理した上で、来年の鳥取大会も含めた今後の全国大会についての方向性を議論
することになりました。
<主な意見
(連絡協議会)
・全国大会は盲ろう者だけのものではなく、支援者、家族と一緒に楽しみたい。
・通訳・介助員派遣事業や同行援護事業等盲ろう関係事業が制度化され、通訳・介助
員等の支援者はボランティアとしてではなく仕事として盲ろう者と関わるようになっ
てきている。
・通訳・介助者にどのように関わってもらうか、みんなで模索していけばよい。
・以前のようにブロックごとに開催するのがよい。
・全国各地で開催したい。
・もう一つの会場でモニターを設置するなどいろいろ工夫して、みんなが参加できる
ようにしたい。
・通訳謝金について、地域の制度を利用するかどうかは地域ごとにまかせるしかない

・歓迎パーティの代わりに、交流できる場がほしい。
(協会)
・今、制度が進んだ結果、通訳・介助者が仕事として盲ろう者の支援をしている。
また、盲ろう者の問題が社会的にも広く知られ、これまで表に出てこなかった盲ろう
者が通訳・介助者などを使って、地域社会ともつながっていけるような状況ができて
きた。この30年間の大きな流れが、結果的に全国大会に1000人規模の人数が集
まるという状況を生み出している。協会として、明確な対応策をまだ、打ち出してい
ない。協会が実施したアンケート結果を踏まえて、また連絡協議会との率直な意見交
換を通して、出された課題にどう対応し、大会をどういう形にしていくのかを考えて
いきたい。
・メイン会場とは別にサブ会場を用意し、モニターを設置してメイン会場の様子が見
れるようにすることは可能だが、情報保障を考えると経費が結構かかる。
・盲ろう者が自分で頼める、仲良し同士で頼めるような関係性が薄れてくると、個人
では頼めないので、友の会にコーディネートをお願いするが、友の会が通訳・介助者
を探すことが非常に難しくなっている現実がある。
・歓迎パーティが500~600人の規模になると、会場探しが大変であり、お金も
かかるし、一緒に食事をするのは難しい。
 
2.要望活動について
 以下の4つの要望について、課題を共有し、今後、協会と連絡協議会とで定期的に
懇談会を開き、有識者も交えながら協議していくことを確認しました。
①点字ディスプレイの支給要件を緩和してほしいという要望を厚生労働省や核自治体
に出していきたい
②音声や点字触読ができない盲ろう者でも使える体温計を開発してほしい
③7月から本格運用が始まる聴覚障害者向け電話リレーサービスを盲ろう者も利用で
きるようにしたい
④選挙の投票所内に通訳・介助員が同行できるようにしてほしい

3.オリンピック聖火リレー報告

「聖火リレー 5月13日 山口県1日目」

杉原 直美(すぎはらなおみ)
山口県 弱視ろう・男性

 1年以上前から 盲ろう者の間で言われ続けてきた言葉があります。
 それはオリンピックの聖火リレーに盲ろう者が6人出ること。
 それだけでもすごいのですが、新たに1人加わる嬉しい番狂わせがありました。
 それが私、杉原が追加されたことです。(結果、盲ろう者の聖火ランナーは7人です
。)

 昨年の12月25日、あるメールが届いたことが発端です。
 それが聖火ランナー当選通知でした。
 私と伴走者にとっては最高のクリスマスプレゼントでした。
 なぜ今頃? 経緯については分かりませんが、辞退者が出たための繰り上げ当選だ
と推察しています。

 伴走者とも打ち合わせや走行練習を積み重ね、晴れの舞台に向けて万全の状態で聖
火リレーの日を目指してきました。
 あとは晴れることを祈るだけ。
 ところが聖火リレー開催2日前の夕方に事務局から中止のメールが届きました。
 今回の中止を受け、公道走行は出来なくなりました。
 代わりに山口市の中央公園で開催される点火セレモニーに招待されました。
 しかし、諸々の理由で参加を断念。 残念です。
 せめてもの救いはユニフォームが後日送付されてくること。
 ユニフォームが届いたら写真を撮るつもりです。
 伴走者にも走れなかった分、撮影の楽しみを共有しようと思います。

「素晴らしい聖火リレーが最高だ!!」

中田 鈴子(なかだすずこ)
京都・弱視ろう

 東京オリンピック・パラリンピック聖火ランナーに選ばれた事は、とても嬉しかっ
たですが、世界中で新型コロナウイルス感染症の患者が増え続けている中、聖火リレ
ーはどうなるのかなと不安な日々でした。一年延期という通知が来た時は、残念な気
持ちになりました。
 延期となった聖火リレーが令和3年5月26日に行われることになりましたが、コ
ロナ禍による緊急事態宣言により、京都府下の公道での走行が中止となりました。こ
の連絡を聞いた時、走る予定だった木津川市内の公道に仲間や知り合いの人や関係者
の皆さまが応援に来られなくなって、とても残念!しかし、代わりに、亀岡市の京都
 府立京都スタジアムで聖火リレーが行われることとなり、嬉しかったです。
 夢に思わなかった。走って、皆さまに感謝の気持ちを表しました。
 トーチは思ったより、少し重かったけど、ワクワクしながら50メートル走って嬉
しかった。
 素晴らしい聖火リレーで走らせてもらい、いい思い出になりました。
 点火セレモニーーは短かったけど、素晴らしい、素敵な聖火リレー、感動していい
記念になりました。
 息子から、トーチをプレゼントしてもらって、本当に感謝、感謝してます。
 天気に恵まれて、トーチを持って走ることができて、本当に良かったです。
 聖火ランナーに選ばれたのは、伴走者やサポーターが私を支えてくれたお陰です。
 いろんな活動を共にした仲間の皆さんから素敵な横断幕を沢山作って頂きました。
 うわぁ~!めちゃめちゃ~大好きな~スヌーピーの横断幕を作って頂いたし、相楽
郡ろうあ協会から、素敵な黄色のお花を頂いて本当にありがとうございます。
 とても素敵な横断幕!最高だ!!
 メッセージを沢山頂き、嬉しい気持ちで胸がいっぱいになりました。いい思い出が
できました。

4.みんなの広場(リレートーク)

「盲ろう者の選挙投票所について考える」

東京 村岡 美和(むらおか みわ)

 子どもの頃、家族と一緒に地元の小学校の体育館まで行きました。子どもは中に入
れないということで、体育館入口の所で待たされていました。大きくなったら、私も
中に入れる期待を膨らませた選挙投票所。成人してその夢が叶った喜びを覚えていま
す。当時の私は耳が聞こえず、目が見えていた頃で、困ることはありませんでした。
 しかし、盲ろうになってからは通訳・介助者と一緒にいくようになりました。受付
の所で、白杖を持っていたのを見かけて担当者から声をかけられたときにこちらの状
況(目と耳、両方とも障害があること、通訳・介助者はどういう人か)を説明して通
訳・介助者と一緒に入れるように認めてほしい旨話しています。すると、すんなりと
OKしてくれるときと、ダメだと断られるときとまちまちです。先日は男性担当者が「
我々がやりますので!」と私の腕をつかんで案内し、通訳・介助者は置いてけぼりと
なってしまいました。コロナ禍の選挙で、マスク着用しているため全然分からず困っ
てしまいました。音声や筆談で応じてくれたらどうにかなるかもしれないと思います
が、投票所内の情報保障、代筆の時の通訳が必要な方には通訳・介助者同行が不可欠
だと気づきました。
 以前はOKをもらったのに、次回行ったら拒否された問題について、協会や友の会に
相談しました。友の会から東京都選挙管理委員会に問い合わせました。公職選挙法第
58条第3項に「選挙人を介護する者その他の選挙人とともに投票所に入ることにつ
いてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた者」と記載されています。
 こちらの説明の仕方の力量も問われることだと思いますが、盲ろう者の理解を広め
る働きかけと、必要に応じて通訳・介助者の同行を認めてほしいことを要望してはど
うかと、協会や連絡協議会で話し合っているところです。
 皆さん、地域の選挙投票所で何かお困り事がありましたら、どしどしご意見をお寄
せいただきたいと思います。

5.友の会紹介コーナー

 福岡盲ろう者友の会 会長 吉田 忠雄(よしだ ただお)

 設立は、2002年4月14日です。
 現在の会員数は、盲ろう者が24名。
 健常会員90名。

 役員については、盲ろう者が8名。
 健常者が2名で構成してます。

 活動としては、毎月第1日曜日に役員会を開催してます。

 活動部としては、交流部が交流会の内容担当しています。

 広報部が、年3回発行する機関誌「フレンズ」の編集、及び発行担当しています。

 交流会は、偶数月に定例交流会、奇数月に巡回交流会の企画しています。

 交流会の内容は、ゲームや文化活動に伴う作品等です。
 12月には、忘年会を開催してます。

 その他、盲ろう者通訳介助員養成研修会に、協力団体として、友の会から講師派遣
をしています。
 来年は、設立20周年を記念して、一泊の温泉旅行を計画中です。

6.会計からのご案内

会計担当 石川 隆(いしかわ たかし)

 2021年度の会費納入のご案内を申し上げます。
下記の通り、会費の納入をお願いいたします。

・会費 1万円
・金融機関 ゆうちょ銀行
・口座番号 12170-85824061
・口座名義 全国盲ろう者団体連絡協議会
・納入期限  2021年10月29日(金)

ご注意
・手数料はご負担ください。
・個人名でなく団体名義で振り込んでください。
・特定非営利活動法人やNPOは省いてください。
・振リ込み済み通知書を領収証とします。大切に保管してください。
・期限内納入のご協力をお願いいたします。

7.編集後記

今年は西日本は梅雨入りが早く毎日が蒸し暑い日が続いています。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今年はオリンピック、パラリンピックが行われます。聖火リレーに盲ろう者も数名参
加されました。
無事に終わるといいな~と思い毎日を過ごしています。
さて、長崎の総会は書面総会になりますがコロナ感染拡大により会計監査ができず資
料も送れていません。
コロナのワクチン接種が始まりました。
このままコロナが落ち着いてくれたらいいですね。
編集担当 古川 竜一郎(ふるかわ りゅういちろう)