盲ろう者がコロナに感染または濃厚接触者(疑いを含む)となった場合の通訳・介助員及び同行援護従業者の派遣について

見出しの件について、当会加盟団体および関係団体から情報を集めました。その結果を下記の通りまとめました。

●通訳・介助員派遣事務所、同行援護事業所

・通訳・介助員派遣事務所(以下、事務所とする)、同行援護事業所(以下、事業所とする)は盲ろう者が感染及び濃厚接触者(「疑い含む)と」なった場合、通訳・介助員および同行援護従業者への感染、またはその家族等への感染を防ぐため派遣をしないと考えている事務所・事業所が多い。

・派遣はしないが、保健所や医療機関への連絡は可能な範囲で行う事務所・事業所もある。
・一方で、通訳・介助員に感染した場合を想定し、通訳・介助員と雇用契約を結び、労災保険給付や休業補償を支払うことを検討している事務所もある。

・その他…濃厚接触の疑いのあり自宅待機中の盲ろう者に遠隔通訳を派遣事業として認めた事務所もある。

●行政

 ・A中核市…設置手話通訳者をろう者や盲ろう者が感染時等に対応する(感染リスクが高い場合は対応しない)。

 ・B県…事務所職員を派遣すれば、万が一感染しても保障が安定と考える。

 ・C県…必要に応じて盲ろう者宅に緊急通報装置を設置。

●厚生労働省

 以下にあげる厚生労働省が出されたコロナ感染対策のいくつかの通知の文章(要約)から、通訳・介助員、同行援護従業者の派遣に積極的な姿勢がうかがえる。

 ・ワクチン優先接種の対象に通訳・介助員が入れられている。目的は「感染した盲ろう者の支援を行うためとしている。」

・同行援護について、利用者に発熱等の症状がある場合であっても、十分な感染防止対策を前提として、必要なサービスが継続的に提供されることが重要である、としている。

・また、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時、施設療養時に適切な支援が受けられるように積極的に検討すること、としている。

●その他

 日本視覚障碍者団体連合はコロナ感染予防の同行援護ガイドライン」を出されている。

以上のように、事務所、事業所により感染時の通訳・介助員及び同行援護従業者の派遣は前向きなところもあれば、慎重なところもあり、住むところによりまちまちです。

厚生労働省がこれらの事業に対し積極的姿勢を示しており、当事者の派遣依頼を想定し、派遣を可能とするには何が必要かを検討することが重要と考えます。

長期化するコロナの時代に、どこに住んでいても安心して通訳を介し医療を受けられることを願っています。